咲良の音楽余話 静かにきらめく古楽器 チェンバロという音の世界
ピアノとは異なる鍵盤楽器、チェンバロは弦を小さな爪で弾くため、音が鋭くガラスのようなきらめきを持っています。16世紀から18世紀のバロック音楽では、チェンバロは宮廷やサロンの中心的な役割を果たし、バッハやヘンデルの作品に多く使われました。しかし、ピアノの登場により、チェンバロは次第に歴史の影に追いやられていきました。20世紀にはポーランド出身のワンダ・ランドフスカがチェンバロの復興に尽力し、彼女の活動が古楽演奏の広まりを後押ししました。チェンバロの音色は、ピアノのような感情表現ではなく、静かで乾いた響きを持ちながら、何百年も前の空気感を現代に蘇らせます。