Internal Combustion・ストーリー ②
蒸気の王様と電気の貴婦人

華恋の車偏愛記

19世紀の空気ってさ
いま想像するとだいぶ熱いよ

産業革命のど真ん中
世界を動かしてたのは蒸気機関

工場も、船も、鉄道も
とにかく蒸気機関が王様状態

煙を上げて
鉄と石炭の匂いをまとって
重たい機械を動かしてた

だから当然
その王様を小さくして
道路を走らせようって考えちゃうよね

蒸気自動車はちゃんと存在してた
実際に走ってたし
当時としては最先端だった

ただ
王様はちょっと大きすぎたし
面倒臭い一面もあったわ

ボイラーを温める時間
水の補給
どうしても重くなる構造

自由にどこへでもとはいかなかったから
流行りの電気でどうにかならんの?
当時そんなこと考えてた人もいたらしいよ

ここでひとつ
たぶん多くの人が思うはず

え?19世紀って
電気なんてあったの?

実はあったのよ!

1800年にイタリアのボルタが電池を発明してから
そこから電気の研究は一気に進む
イギリスのダニエルやフランスのルクランシェ
電流を取り出す方法や大きさの改良

そして、電磁気学の進歩と
モーターの原型も出来上がった

1859年遂に
充電できる鉛蓄電池が登場する!

いま私たちが知ってる
車のバッテリーの祖先

つまり
電気は突然の未来技術じゃなくて
ちゃんと19世紀の科学の延長線上にあった

その上で現れたのが電気自動車

音もなく、煙もなく、振動もない
都市に似合う
静かな貴婦人みたいな存在
手も汚れないし、扱いやすい

当時の都市部では
むしろ電気自動車のほうが上品だった

でもね
貴婦人にも弱点があった

電池が重い、航続距離が短い
充電に時間がかかる

エネルギーを蓄える技術が
まだ追いついてなかった

つまり

王様も貴婦人も
どちらも本気だったけど
どちらも車に対しての決定打を持ってなかった

19世紀の道路は、蒸気も電気も
そして生まれたばかりの内燃機関も同じ舞台に立ってた

いまみたいに
これが正解って空気はまだない

その時代にひとつだけ
ちょっと野蛮な選択肢があった

燃やすんじゃなくて
爆発させる!

蒸気でもなく
静かな電気でもない

もっと荒々しいやつ

最後に勝つのは
王様でも貴婦人でもなかった

次の話
いよいよ爆発の出番だよ

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