猫ちゃんの年?
何かちょっと変わったタイトルのこの曲は、アル・スチュアートの「Year of the Cat」と言って、わたしにはかなり前から気になる曲でした
ピアノから始まり、最初から押し出し感の強い曲ではありませんが、なぜか耳に残るメロディーです
導入部分は静かなんですけど、ベースが小気味よくビートを刻み出して、ストリングスで厚みが増してきます
ピアノや後半のサックスの音が印象的だと思いますが、長めの曲にもかかわらずに、そうした音が全体の中でうまくつながっていて、飽きさせないところが魅力ではないかと思います
この曲は1976年のアルバム「Year of the Cat」のタイトル曲で、アル・スチュアートの代表曲としても知られています
70年代の洋楽が大好きでもない限り、若い人の間ではあまり知られていない人かもしれませんが、アル・スチュアートは60〜70年代の英国フォーク・リヴァイヴァルの流れから出てきたシンガーソングライターのひとりです
この曲はアルバムの中でもかなり都会的なイメージが強く、スムーズな仕上がりとなっています
このイメージで、彼をアダルトコンテンポラリーの枠に当てはめて考える人もいるようですが、その要素はありますが、アル・スチュアート自身はソフトロック寄りの耳触りのよいフォーク系シンガーと考えた方がいいかもしれません
とても素敵な曲なのですが、少し面白いところもあります
もちろんタイトルのことですよ、どう見ても「猫の年」ですから
最初は彼がすごい愛猫家で、その猫のことを歌っているのかと思っていました
でも、実際はそんなことは全くないんですね
このタイトルは歌詞の内容を説明したものではなくて、アル・スチュアート自身が、ベトナム占星術の本の中で見つけた言葉から付けられたそうです
そのあとで、別に歌詞を作っていったとのことですよ
この曲は、タイトルの不思議さでわたしたちを惹きつけて、そのあとで歌の世界観を見せてくる
そんな造りも、この曲をヒットさせた理由の一つかもしれませんね

この曲に関わっているのは、当時著名なキーボード奏者ピーター・ウッドや、のちにアラン・パーソンズ・プロジェクトで知られるのアラン・パーソンズなどもいたようです
ピーター・ウッドがこの曲のピアノに大きく関わっていたし、アラン・パーソンズは元々イギリスのアビーロード・スタジオのエンジニアでした
この曲が単なる弾き語り的な音楽の延長にあるのではなくて、細かく作り込まれた一曲として聴こえてくるのは、そういう理由があったからなのですね
この曲を聴いてみて、もしいい感じに思えたなら、少し近いものとして、キャット・スティーブンスやジェリー・ラファティ、ダン・フォーゲルバーグあたりも聴いてみるといいかもしれませんよ
アル・スチュアートの英国的な感触と物語性の高い曲調、「Year of the Cat」は、そんな彼の個性と70年代らしい洗練された感じが、うまく重なった代表曲だと思います

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